日本は高温多湿の風土です。梅雨の時期は雨が降っていなくても湿度が80%を超えることも珍しくないといわれています。
中国では湿気を病気の原因の一つと考えて【湿邪】と呼び、その影響は皮膚、次いで筋肉、関節へと及びます。皮膚は外気をもっとも敏感に感じ取り、暑いときは汗腺を開いて発汗し体温を下げ、寒いときは表皮を引き締めて体温を逃がさないようにしています。
ところが湿度が高くなると皮膚の新陳代謝が阻害されて、もろもろの障害が出やすくなります。まず皮膚呼吸がうまくいかなくなり、なんとなく息苦しく感じたり、重苦しく感じるようになります。では、この湿邪を除いて皮膚を守るためにはどんな方法があるでしょうか。
除湿の方法としてエアコンを利用するのもよいでしょう。ただ蒸し暑さで寝苦しいのを解消しようとエアコンや扇風機をかけたままにしたり、肌かけをはいで寝たりすると朝方になって足がだるくなったり、つったりするので注意が必要です。
さらに発汗作用のある香味や辛味の食材、利尿作用がある食材でお小水として排出するのもおすすめですよ。
香味・辛味で発散!

シソ、ネギ、ショウガ、ニンニク、シナモン、パクチーなどは発散作用があり、余分な水分を蒸発させます。

【シソ(辛・温)】汗腺を開いて汗を出し、胃のつかえをなくし排便をよくする働きがあり、シソの実は激しい咳が出るのを止める。

【ネギ(辛・温)】風邪の発熱や悪寒、水分の冷えでおきた腹痛も治す。

【ショウガ(辛・温)】胃腸の冷えに伴う吐き気を止める。寒気を払い風邪の鼻詰まりや咳を止め、冷え、頭痛を治す。
独特な匂いで日本人には敬遠されがちだった【パクチー(辛・温)】は、有害物質を身体の外に出してくれるデトックス効果があり近年人気が高まっています。全草は発汗作用、蕁麻疹や消化不良などにいいとされ生薬としても用いられています。
重要なのは肌の新陳代謝をあげること。発汗がうまくできていない方は香味・辛味の食材で肌本来の働きを取り戻しましょう。
「東京薬膳研究所」代表。食養・薬膳研究家。1970年代より成人病と食生活の臨床研究に従事し、1986年に渡中。本場中国(四川省)にて高名な薬膳師に師事し、薬膳理論と料理技術を学ぶ。帰国後は日本の気候風土や伝統的な和食文化に合わせた独自の「和食薬膳」を提唱し、長年にわたりその第一人者として日本の薬膳界を牽引する。 『食は薬なり』の教えを広めるため、これまでに数多くのカルチャーセンターでの講師や全国各地での講演活動を行い、後進の育成や薬膳の普及に尽力。著書に『決定版 和の薬膳食材手帖』『旬を食べる和食薬膳のすすめ』(すべて家の光協会)など多数。


