生活リズムの変化や季節の変わり目など、健康管理への意識が高まる時期は、日々の食生活から身体本来の防衛力を維持していく工夫が重要になります。
食生活の面でどのような工夫ができるかを探るなかで、熊本大学名誉教授の前田浩先生が提唱する「野菜スープ」の考え方が注目を集めています。野菜が持つ自然の力を活用し、日々の健康維持に役立てるアプローチをご紹介します。
目次
身体のコンディションと「活性酸素」の関係
健康維持を考えるうえで切り離せないのが、体内で発生する「活性酸素」の存在です。
活性酸素は本来、体内に侵入した異物から身を守るために生成されます。しかし、生活習慣の乱れや過度な負荷などが原因で体内に活性酸素が増えすぎると、正常な細胞や組織までダメージを受け、身体のさまざまな不調や炎症反応につながると考えられています。
つまり、体内の健やかさを保つためには、増えすぎた活性酸素に負けない環境づくりが欠かせません。

植物のパワー「ファイトケミカル」と抗酸化力

そこで注目されているのが、野菜や果物に含まれる機能性成分「ファイトケミカル」です。
ファイトケミカルは高い「抗酸化力」を持ち、体内で過剰に発生した活性酸素にアプローチして健やかな状態へ導くサポートをしてくれます。しかし、この成分は人の体内で作り出すことができないため、日々の食事から積極的に摂取する必要があります。
野菜スープを作る際のコツ
スープを作る際は、単一の野菜だけでなく「多種多様な野菜」を組み合わせるのがポイントです。

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基本の野菜: タマネギ、ニンジン、キャベツ、セロリ、カボチャ、ブロッコリーなど
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葉物野菜: ホウレン草、小松菜(ルテインなどの成分を含むため、最低1種類加えるのがおすすめ)
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葉つき野菜: ニンジンや大根の葉(独特の風味がありますが、ファイトケミカルが豊富です)
基本的に塩や調味料による味付けをしなくても、じっくり煮込むことで野菜本来の上質な旨味がスープに溶け出し、やさしい味わいを楽しめます。
なぜ「加熱調理(スープ)」が良いのか?
ファイトケミカルを効率よく取り入れるなら、生のまま食べるよりも「加熱調理」が適しています。
植物の細胞は硬い「細胞壁」で覆われており、生のままスライサーやミキサーで処理しても細胞壁は壊れにくい性質があります。一方、熱を加えてじっくり煮込むことで細胞壁が柔らかくなって破壊され、内部に含まれるファイトケミカルがスープの中に溶け出して身体へ吸収されやすくなります。
コトコト煮込んだ野菜スープで、野菜のパワーを無駄なく取り入れましょう。
【レシピ】基本の「ごろごろ野菜の抗酸化スープ」
手軽に作れて毎日の習慣にしやすい、シンプルな野菜スープの作り方です。

材料(作りやすい分量)
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タマネギ:1個
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ニンジン:1本
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キャベツ:1/4個
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カボチャ:100g
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セロリ:1/2本
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ホウレン草(または小松菜):1/2束
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水:800ml〜1000ml
作り方
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食材を切る: タマネギ、ニンジン、キャベツ、カボチャ、セロリを食べやすい大きさに切ります。ホウレン草はサッとかざし洗いをし、3〜4cm幅に切っておきます。
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煮込む: 鍋に水と、根菜類(ニンジン、カボチャ)およびタマネギ、セロリ、キャベツを入れて火にかけます。
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仕上げ: 沸騰したら弱火にし、野菜が柔らかくなるまで20〜30分ほどじっくり煮込みます。仕上げにホウレン草を加え、数分サッと煮たら完成です。
お好みで少量のアゴ出汁やコンソメ、オリーブオイルを少量加えると、風味が引き立ち美味しく召し上がれます。
まとめ:温かい野菜スープで毎日を健やかに過ごそう
毎日の食生活に、温かい野菜スープを一杯プラスするだけでも、手軽に野菜の栄養を取り入れることができます。
バランスの良い食事と十分な睡眠を心がけ、身体の内側から健やかな毎日を目指していきましょう。
※本記事は日常の食事や生活習慣を楽しむための健康情報です。特定のウイルス感染症の予防・治療効果を保証するものではありません。激しい発熱や体調不良がある場合は、無理をせず医療機関を受診してください。
「東京薬膳研究所」代表。食養・薬膳研究家。1970年代より成人病と食生活の臨床研究に従事し、1986年に渡中。本場中国(四川省)にて高名な薬膳師に師事し、薬膳理論と料理技術を学ぶ。帰国後は日本の気候風土や伝統的な和食文化に合わせた独自の「和食薬膳」を提唱し、長年にわたりその第一人者として日本の薬膳界を牽引する。 『食は薬なり』の教えを広めるため、これまでに数多くのカルチャーセンターでの講師や全国各地での講演活動を行い、後進の育成や薬膳の普及に尽力。著書に『決定版 和の薬膳食材手帖』『旬を食べる和食薬膳のすすめ』(すべて家の光協会)など多数。

