日本は高温多湿の風土です。梅雨の時期は雨が降っていなくても、湿度が80%を超えることも珍しくないといわれています。
「なんだか息苦しい」「体が重だるい」と感じたら、それは湿気による身体のサインかもしれません。今回は、湿気が体や肌に与える影響と、余分な水分を追い出してすこやかに過ごすためのセルフケア方法をご紹介します。
目次
湿気が体に与える影響とは?東洋医学で見る「湿邪(しつじゃ)」
中国の伝統医学では、過剰な湿気を病気の原因(病邪)の一つと考えて【湿邪(しつじゃ)】と呼び、その影響は皮膚、次いで筋肉、関節へと及ぶとされています。
皮膚は外気をもっとも敏感に感じ取り、暑いときは汗腺を開いて発汗し体温を下げ、寒いときは表皮を引き締めて体温を逃がさないようにコントロールしています。
しかし、湿度が高くなると皮膚の水分代謝がスムーズにいかなくなり、もろもろの不調が出やすくなります。皮膚呼吸(発汗やめぐり)がうまくいかなくなると、なんとなく息苦しく感じたり、重苦しさを覚えたりするのです。
からだを「湿邪」から守る2つのポイント
では、この湿邪を除いて皮膚や体調を守るためにはどんな方法があるでしょうか。
1 エアコンを使った正しい室内除湿と注意点
除湿の方法としてエアコンを利用するのも効果的です。ただ、蒸し暑さで寝苦しいからといってエアコンや扇風機を朝までつけたままにしたり、薄着のまま肌かけをはいで寝たりすると、身体が直接冷やされてしまいます。
朝方になって「足がだるい」「足がつる」といった不調の原因になるため、タイマーを活用したり、羽織もの・レッグウォーマー等で冷え対策を併用したりすることが大切です。
2 発汗・利尿作用のある食材を味方につける
体内に溜まった余分な水分を外へ出すには、発汗作用のある「香味・辛味」の食材や、利尿作用のある食材を日々の食事に取り入れて、汗やお小水(尿)としてスッキリ排出させるのがおすすめです。

発散作用でスッキリ!おすすめの香味・辛味食材4選
シソ、ネギ、ショウガ、ニンニク、シナモン、パクチーなどは発散作用があり、体内の巡りをよくして不要な水分の排出をサポートします。
重要なのは、肌本来のめぐりや発汗の機能を整えること。発汗がうまくできていないと感じる方は、以下のような食材を食事にプラスしてみましょう。
【シソ(辛・温)】めぐりをスムーズにし、スッキリ感をサポート

汗腺を開いて汗を出し、胃のつかえをなくし排便をよくする働きがあり、シソの実は激しい咳が出るのを止める。
【ネギ(辛・温)】体を温め、冷えからくる不調をやわらげる

風邪の発熱や悪寒、水分の冷えでおきた腹痛も治す。
【ショウガ(辛・温)】胃腸を温め、冷えや不快感をスッキリケア

胃腸の冷えに伴う吐き気を止める。寒気を払い風邪の鼻詰まりや咳を止め、冷え、頭痛を治す。
【パクチー(辛・温)】発汗を促し、身体のデトックスを助ける
独特な匂いで日本人には敬遠されがちだった【パクチー(辛・温)】は、有害物質を身体の外に出してくれるデトックス効果があり近年人気が高まっています。全草は発汗作用、蕁麻疹や消化不良などにいいとされ生薬としても用いられています。
まとめ:内と外からの除湿ケアで梅雨を快適に過ごそう
梅雨の不調を乗り切るカギは、「エアコンなどを上手に使った適度な室内の除湿」と、「香味野菜を食べて身体の内側から汗や尿として出すケア」のWアプローチです。
湿気による重だるさを感じたら、今日の夕食にシソやショウガ、ネギなどの薬味を少し足してみてくださいね。
※本記事は日常の食事や生活習慣を楽しむための健康情報です。激しい体調不良や症状が続く場合は、無理をせず医療機関を受診してください。

「東京薬膳研究所」代表。食養・薬膳研究家。1970年代より成人病と食生活の臨床研究に従事し、1986年に渡中。本場中国(四川省)にて高名な薬膳師に師事し、薬膳理論と料理技術を学ぶ。帰国後は日本の気候風土や伝統的な和食文化に合わせた独自の「和食薬膳」を提唱し、長年にわたりその第一人者として日本の薬膳界を牽引する。 『食は薬なり』の教えを広めるため、これまでに数多くのカルチャーセンターでの講師や全国各地での講演活動を行い、後進の育成や薬膳の普及に尽力。著書に『決定版 和の薬膳食材手帖』『旬を食べる和食薬膳のすすめ』(すべて家の光協会)など多数。


