今年は異例の早さで梅雨が明けました。本格的な夏がいよいよ始まりましたね。夏特有の体調不良は暑さと湿度が原因だとお話したのを覚えていますか?
過去の記事はこちらでチェック!⇒ 夏の養生食
そこではインドでおふくろの味として親しまれているカレー(スパイス)が、夏にくる胃腸の不調へ働きかけることをご紹介しました。
食欲不振のときでも、香りをかげば不思議と食欲がわいてくる不思議なスパイス・・・。
家庭料理には絶対に必要といっていいほどスパイスを重宝しているインドですが、そこで驚きの結果がでているそうです。

インドには○○が少ない?!
日本人の死因第一位はガンです。いまや2人に1人がガンにかかる、もしくはかかっていると言われています。ところがインドではガンを患う人が少ないというのです。どうやら、その秘密は主食であるカレー。
名古屋大学と国立がんセンターの共同研究で、カレーの中のクルクミンという物質が大腸ガンと胃ガンに対して抑制効果があることが報告されました。クルクミンはカレー粉に欠かせないターメリックのなかの色素成分で、これがガンを抑制する働きをしているといいます。クルクミンは腸から吸収されるときにテトラヒドロクルクミンという強力な抗酸化物質に変換されるのです。
ターメリックは和名で【ウコン】。お酒好きの方なら、二日酔い予防に良いとして一度は耳にしたことがありますよね。肝臓機能を強化する他に、強力な『抗酸化作用』でガン予防、夏バテ防止にと、カレーはいいこと尽くめの料理です。

これからくる猛暑で滝のように流れる汗とともに、体の水分はどんどんと減っていきます。夏、喉の渇きを止めるものといえばなんといってもスイカが最高です。これに勝るものはありません。一年を通して暑いインドはスイカの生産量が世界第3位と、暑い時期には欠かせない野菜となっています。
わたしが子どもの頃は、夏になると冷えたスイカに塩をふってよく食べたものです。どうして塩をふって食べるのかなどは考えもせず、一心不乱に食べたことを思い出します。小さな頃から『スイカには塩』と、当たり前のことでした。
そんな習慣がいつのまにか途絶えてしまっていますが、なぜスイカに塩なのでしょうか。科学的にスイカには、水分、糖分、ミネラルが含まれているけれど、さらに塩をふるとバランスが取れるとのこと。

スイカは90%が水分。暑さでほてったからだの熱を冷まし、暑さを忘れさせてくれる働きがあり、利尿作用も優れているのでむくみ防止としても役立てられます。
五行説では塩は五味の中の『鹹味』(かんみ:塩から味)に配当されていて、体の中では腎に入って腎臓、膀胱の働きを補う作用があります。排尿を促すカリウムが多く、双方の相乗効果で腎を強力にサポートすることになり、誠に理に適った教えといえましょう。
ただし、どんなにいいものでも摂りすぎは害になります。とくに血流が悪く、塩分を制限されている人は塩のふりすぎにはご注意を。
「東京薬膳研究所」代表。食養・薬膳研究家。1970年代より成人病と食生活の臨床研究に従事し、1986年に渡中。本場中国(四川省)にて高名な薬膳師に師事し、薬膳理論と料理技術を学ぶ。帰国後は日本の気候風土や伝統的な和食文化に合わせた独自の「和食薬膳」を提唱し、長年にわたりその第一人者として日本の薬膳界を牽引する。 『食は薬なり』の教えを広めるため、これまでに数多くのカルチャーセンターでの講師や全国各地での講演活動を行い、後進の育成や薬膳の普及に尽力。著書に『決定版 和の薬膳食材手帖』『旬を食べる和食薬膳のすすめ』(すべて家の光協会)など多数。

