夏が終わり秋を迎える頃、「今年の夏は元気に乗り切れた」と感じることはありませんか?サプリメント頼みではなく、日々の基本的な食事である「ご飯とお味噌汁」を見直すことが、健やかな身体づくりの近道になるかもしれません。
日本の食生活の変化に伴い、高たんぱく・高脂肪の食事スタイルが普及する一方で、日本人の身体に寄り添う伝統的な和食の力が見直されています。

目次
期待される味噌汁の健康価値と疫学調査
かつて国立がんセンター研究所の疫学部長を務めた平山雄博士による大規模な追跡調査では、毎日の生活に味噌汁を取り入れることの健康的なメリットが示され、大きな反響を呼びました。
塩分制限や高血圧予防への配慮から味噌汁を控える傾向も見られますが、味噌に含まれる豊富な栄養素や成分のシナジー効果によって、日々のコンディション維持に寄与することが期待されています。
東洋の知恵と現代科学が明かす「味噌」の成分
江戸時代の食の書物『本朝食鑑』にも、味噌が胃腸を整え、健康維持に役立つ旨が記されています。古くから生活の知恵として培われてきた味噌のチカラは、現代の栄養学的な視点からも注目されています。

1. 腸内環境とスッキリ感をサポート
味噌の発酵過程で生じる有用な微生物や大豆由来の食物繊維は、腸内の環境を整え、身体に不要なものをスムーズに排出する働きをサポートします。
2. 多様な栄養成分と体調管理
味噌にはジピコリン酸をはじめ、アミノ酸やミネラルなど、毎日の健康づくりに役立つ成分が含まれています。日々の体調維持や防衛力を整えるための頼もしい食材です。
食べるだけじゃない!暮らしに根ざした味噌の多目的利用
古くから味噌は調理や栄養補給だけでなく、生活のさまざまなシーンで活用されてきたのです。
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外用・灸の知恵(味噌灸): 戦国時代の武士や江戸時代の暮らしでは、打撲や肩の違和感に対して和紙に塗った味噌を利用したり、患部に味噌を敷いてお灸を据える「味噌灸」などで温和やケアをはかっていました。
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防災の知恵(火災除け): 蔵や倉庫の戸・窓の隙間に味噌を塗りつけることで、火の手や熱の侵入を防ぐ防煙・防火対策としても重宝されていました。
まとめ:毎日食べて飽きない「本当のごちそう」
「ごちそう」とは豪華な馳走ばかりではなく、毎日食べても飽きず、身体がほっと喜ぶ基本の食事を指すのかもしれません。
日常の献立に温かいお味噌汁とご飯を一杯プラスして、シンプルで健やかな食生活を続けていきましょう。
※本記事は日常の食事や生活習慣を楽しむための健康情報です。持病をお持ちの方や塩分制限のある方は、医師の指示に従ってください。
「東京薬膳研究所」代表。食養・薬膳研究家。1970年代より成人病と食生活の臨床研究に従事し、1986年に渡中。本場中国(四川省)にて高名な薬膳師に師事し、薬膳理論と料理技術を学ぶ。帰国後は日本の気候風土や伝統的な和食文化に合わせた独自の「和食薬膳」を提唱し、長年にわたりその第一人者として日本の薬膳界を牽引する。 『食は薬なり』の教えを広めるため、これまでに数多くのカルチャーセンターでの講師や全国各地での講演活動を行い、後進の育成や薬膳の普及に尽力。著書に『決定版 和の薬膳食材手帖』『旬を食べる和食薬膳のすすめ』(すべて家の光協会)など多数。

