上記は、756年に亡くなった聖武天皇の四十九日に光明皇后が、奈良の東大寺に納めた『種々薬帳(しゅじゅやくちょう)』といわれるものです。後ろから3列目に「蔗糖(しょとう)」という文字が見えますね。 ここには、蔗糖とともに献納した60種類の薬物名と、その数量および質量などが記載されています。
巻末には「病に苦しんでいる人のために必要に応じて薬物を用い、服せば万病ことごとく除かれ、千苦すべてが救われ、夭折(ようせつ=若くして死ぬこと)することがないように願う」といった慈悲深い光明皇后の願いが記されており、人々を救うために役立てられたと伝えられています。
蔗糖はもともと貴重なエネルギー源だった?
日本では近年、お砂糖(糖質)の摂り過ぎを警戒する傾向がありますが、もともとは鑑真和尚が日本に持ち込んだとされる貴重な存在でした。当時は体力が衰弱した際などの重要な栄養補給源であり、ブドウ糖は脳や身体を動かすための重要なエネルギーとして役立てられてきた歴史があります。
赤道に近い南国などでは、甘いお菓子や飲み物が好まれる地域が多くあります。気温が高く体力を消耗しやすい環境では、手軽に効率よくエネルギーを補給するために、しっかりとした甘みが重宝されてきたとも言われています。まさに「環境や生活に合わせた栄養補給」の知見ですね。
一方で、現代の日本ではデスクワークが増え、日常的な運動量が減っている方も多いかもしれません。その一方で、周囲には手軽に買えるスイーツや清涼飲料水があふれており、無意識のうちに糖分を過剰摂取しやすい環境になっています。「薬も過ぎれば毒となる」という言葉があるように、糖や脂質も摂り過ぎには注意が必要ですが、かといって完全に極端な制限をするのも考えもの。「ほどほど」のバランスが何より大切ですね。
発酵菌は糖が大好物
「植物発酵エキス(いわゆる酵素ドリンク)は甘いから、カロリーや糖分が気になる…」と心配される方もいらっしゃいます。

私たちが植物発酵エキスを作る際にも、蔗糖や黒糖などを原料として使用します。しかし、これらはエキスの中にそのまま残すためではなく、発酵菌(微生物)たちの「ごはん(エネルギー源)」として使われているのです。
じっくり時間をかけて発酵が進むと、発酵菌たちが糖を分解・代謝し、低分子のブドウ糖や果糖、さらには各種の代謝産物へと変化していきます。しっかり発酵が完了したエキスでは、元の砂糖の形とは異なる多様な成分へと生まれ変わっているのです。
菌も人と同じように「酵素」を使って働いている
発酵菌は生き物ですから、私たち人間と同じように物質を分解・代謝するための酵素を持っています。発酵菌の酵素の働きによって、原料に含まれるタンパク質は小さめのアミノ酸になり、糖類も菌の働きによってさまざまな成分へと変化していきます。
例えば酵母菌は、糖を分解して成長しながら、ビタミンB群やアミノ酸、有機酸などの有用な成分を作り出します。
また、植物由来の乳酸菌などは、そうしてできた環境の中で活発に働き、乳酸や酢酸といった有機酸をはじめ、私たちの健やかな体内環境をサポートするさまざまな生理活性物質(代謝産物)を生み出します。
このように、植物発酵エキスは、砂糖という原料を起点に発酵菌たちが働いてくれたからこそ生まれる、恵み豊かな食品なのです。
※なお、植物発酵エキスは健康維持をサポートするための「食品」であり、特定の病気を治療したり血糖値を直接コントロールしたりする医薬品ではありません。日々の偏りがちな食生活を補う習慣として、無理なくスマートに取り入れていただくのがおすすめです。
酵素歴は、5歳の時より60年。
現在、健康・栄養学関係の書物を買い漁り、読むはずが積ん読状態。
飽食の時代、多くの食べ物が「病気へと導く源」になっていることを危惧。
健康には運動も欠かせないと言いつつ、コロナ禍より運動不足。
孫娘に「じぃじぃ、お腹でてるよ」とレッドカードを出される(^ω^)・・・

