春になり過ごしやすい気候でなかなか眠りから覚めやらず、いつまでも寝ていたい・・・と感じている方は多いのではないでしょうか。
睡眠には心身の疲労を回復する働きがあることはいまさら言うまでもありませんね。
睡眠中に疲れを癒す時間帯は23時から深夜2時のあいだ、それ以降の睡眠は疲れを回復するのに3倍はかかるといいます。
ところが、現代人の多くが日付がかわってから布団に入るという悪い習慣になっているようです。それですっきりとした朝の目覚めが得られるのでしょうか。
健康な人でも、4時間睡眠をたった2日間続けただけで食欲を抑えるホルモンの分泌は減少し、逆に食欲を高めるホルモンの分泌が亢進して暴飲暴食に走ってしまうそうです。ごくわずかな寝不足によって私たちの食行動までも影響を受けるのです。実際に慢性的な寝不足状態にある人は糖尿病や心筋梗塞、狭心症などの冠動脈疾患といった生活習慣病に罹りやすいことが明らかになっています。

私たちの肌は新陳代謝(古い細胞が死んで新しい細胞が生まれる)を日々繰り返しています。これは通常1ヶ月周期で行なわれますが、乱れた食生活や睡眠不足、不規則な生活習慣やストレスなどでこのリズムが乱れると新陳代謝がうまく行なわれず、肌のトラブルが起こりやすくなるのです。
東洋医学で内臓の中でも肌と密接な関係にあるのは大腸といわれています。例えば、便秘が肌荒れの原因となることはよく知られていますよね。そのことからも、お腹の状態が肌の健康を左右していると理解できるでしょう。腸内環境が整っていれば肌は潤っていられますが、便秘や下痢などで腸内のバランスが崩れると肌荒れとなってあらわれるので注意しましょう。

春は肝の血が高ぶり、頭痛やめまい、鼻づまり、目の充血、まぶたのむくみなどの症状が起こりやすい季節でもあります。
旬の菜の花やウド、セロリ、明日葉などの苦味の食材に加え、肝を補う酸味の食材も積極的に摂るようにしましょう。
そして、なにより大切なのは睡眠です。小さいころ、両親に口酸っぱく言われた【早寝早起き】を思い出して実践してみてください。
「東京薬膳研究所」代表。食養・薬膳研究家。1970年代より成人病と食生活の臨床研究に従事し、1986年に渡中。本場中国(四川省)にて高名な薬膳師に師事し、薬膳理論と料理技術を学ぶ。帰国後は日本の気候風土や伝統的な和食文化に合わせた独自の「和食薬膳」を提唱し、長年にわたりその第一人者として日本の薬膳界を牽引する。 『食は薬なり』の教えを広めるため、これまでに数多くのカルチャーセンターでの講師や全国各地での講演活動を行い、後進の育成や薬膳の普及に尽力。著書に『決定版 和の薬膳食材手帖』『旬を食べる和食薬膳のすすめ』(すべて家の光協会)など多数。

