春は冬の間、隠れていたすべてのものが芽を出し、活動的になり始める時期である。陽気の多くなる時期で、人体も陽気が多くなる時期である。日の出とともに起きて、散歩などの活動をして心身ともにのびのびとして過ごすのがよい
中国最古の医学書といわれる『黄帝内径素問』には、季節ごとの過ごし方があり、これに逆らうといろいろな体調不良が現れると書かれています。
東洋医学では気候の変化が体に与える影響を重視しているのです。
春は木の芽時といわれるように、冬の間に眠っていた生物が一気に動き出す時期です。

五行説では春に対応する『肝』も活動をはじめ、肝機能が乱れやすくなります。体が自然界の流れに敏感に反応し気温の変化を感じると、冬に溜まった老廃物などを解毒し栄養を全身に届けるため肝臓に負担がかかるのです。さらにストレスや緊張、過労も肝臓の機能低下と相関関係にあるので、ストレスを解放することも肝臓を労わることの一つです。
そしてなにより、肝臓の働きを補うには毎日の食べ物がもっとも大切です。働きを高める食材は「酸味」と緑のもの。

春先にでてくる山野草をはじめ、菜の花や春キャベツ、ニラなどは肝臓をきれいにすると考えられています。また、梅や苺など酸味のものも働きを高めますので、食卓に常備しておき毎日摂り入れましょう。

ニラと春雨のスープ(2人分)

ニラ(1/2束)は3cm長さに切り、干ししいたけ(2枚)はしっかり水で戻して薄切りにする。鍋に干ししいたけの戻し汁と水(合わせて3カップ)を入れ、乾燥春雨(20g)、干ししいたけを加えて火にかけ、沸騰したら弱火にして2~3分煮る。春雨が透明になったらニラを加え、塩、こしょう、しょうゆで味をととのえ、仕上げにごま油を回しかける。
「東京薬膳研究所」代表。食養・薬膳研究家。1970年代より成人病と食生活の臨床研究に従事し、1986年に渡中。本場中国(四川省)にて高名な薬膳師に師事し、薬膳理論と料理技術を学ぶ。帰国後は日本の気候風土や伝統的な和食文化に合わせた独自の「和食薬膳」を提唱し、長年にわたりその第一人者として日本の薬膳界を牽引する。 『食は薬なり』の教えを広めるため、これまでに数多くのカルチャーセンターでの講師や全国各地での講演活動を行い、後進の育成や薬膳の普及に尽力。著書に『決定版 和の薬膳食材手帖』『旬を食べる和食薬膳のすすめ』(すべて家の光協会)など多数。

