先日、所用で長崎に行ってきました。さて、皆さんはカステラは好きですか?
異国情緒あふれる長崎の街で出会うカステラは、しっとりと輝く黄金色の姿がなんとも魅力的です。あの素朴で上品な甘さは、私たちの心まで豊かにしてくれます。

ちなみに私が子供の頃は、お客さんがお土産で持ってきてくれる高級なお菓子、年に何度も食べられない貴重品というイメージでした…
じつはこのカステラ、ただ美味しいだけのお菓子ではありません。遠い昔、世界と日本をつないだ壮大な歴史ロマンと、特に40代以上の女性の皆様の元気とキレイをサポートする嬉しい栄養が詰まっているんです。
今回は、カステラがどのように日本に来て、私たちの体にとってどんな素敵な働きをしてくれるのかを、分かりやすくご紹介していきます。
ポルトガルから長崎へ!カステラの歴史物語
カステラのルーツは、今から約450年も昔、大航海時代のポルトガルにあります。
鉄砲や新しい文化と一緒に、ポルトガルの宣教師や商人が日本に持ち込んだお菓子が、カステラのもとになったのです。
異国のパンが「カステラ」に
カステラという名前は、ポルトガル語で「カスティーリャ王国(Castilla)のパン」という意味の言葉から来ています。彼らが故郷の名を冠して紹介したこのお菓子は、日本の長崎で独自の進化を遂げます。

当時の日本にとって、カステラの主原料である「砂糖」と「卵」は、とても貴重な高級品でした。お米を主食とする文化にはない、驚きの洋風菓子として、カステラは人々を魅了しました。
鎖国を乗り越えた「秘伝の技」
江戸時代に鎖国が始まっても、長崎の出島だけは海外との唯一の窓口として残りました。この限られたルートを通じて、カステラ用の貴重な砂糖は運ばれ続けたのです。
カステラは、庶民が口にするのではなく、「幕府への献上品」や「最高級の贈り物」として、さらにその価値を高めました。日本の職人さんたちは、この貴重なお菓子を大切に守り育て、独自の工夫を凝らしました。

<ザラメの秘密>
カステラの底に敷き詰められたシャリシャリしたザラメは、日本の職人さんが生み出した最大の工夫です。これが、独特の食感を生み出すだけでなく、カステラに日持ちする力を与えました。

黄金色の追求
卵黄をたっぷり使うことで、本場のものよりもしっとり濃厚で、美しい黄金色の日本のカステラが完成したのです。
カステラは、鎖国という困難な時代を乗り越え、長崎の職人さんの細やかな愛情と技術によって磨き上げられた、日本の文化の結晶と言えるでしょう。

<伝統の味と、現代への進化>
明治時代以降、カステラは長崎を飛び出し、日本全国へと広まりました。文明開化の波に乗り、カステラは「長崎土産の王様」として不動の地位を築きました。
そして今、カステラは伝統の製法を守りつつ、抹茶や米粉などを使った新しいバリエーションも生まれています。新しい素材や技術を取り入れながら、私たちの食生活に寄り添い続けているのが、カステラの持つ変わらない魅力です。
カステラの科学?キレイと元気をサポートする栄養パワー
カステラは甘いお菓子ですが、そのシンプルな原材料、特に卵のおかげで、実は私たちの体にとって大変うれしい健康効果をたくさん持っています。
1. 疲れた時に頼れる「バランス栄養食」
カステラは主に卵、砂糖、小麦粉でできており、私たちの元気の源となる三大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)をバランス良く含んでいます。
<栄養素 主な働き>
炭水化物 (砂糖・小麦粉)
脳や体を動かすガソリン! 消化が良く、すぐにエネルギーに変わります。
タンパク質 (卵)
体とキレイを作るもと! 筋肉、お肌、髪の毛、免疫細胞などをサポート。
脂質 (卵黄)
エネルギー源となり、ビタミンの吸収を助けます。
カステラは、消化が良いという特長もあります。
そのため、疲れて食欲がない時や、病後の栄養補給にも昔から重宝されてきました。また、運動の前や集中したい時のエネルギーチャージにも最適です。
パリオリンピックでやり投げの北口榛花選手が食べていたことでも話題になりましたね。

2. 卵の力!女性に嬉しいビューティー成分
カステラの黄金色は、卵の栄養がぎゅっと詰まっている証拠です。卵は、体に必要な栄養がほぼ全て入っている「完全栄養食品」と呼ばれています。
<良質なタンパク質>
卵のタンパク質は、アミノ酸のバランスが最高で、お肌のハリやツヤ、健康な髪を作るのに欠かせません。年齢を重ねるほど意識して摂りたい栄養素です。
<若々しさのビタミンE>
卵黄には、体のサビつきを防いでくれる抗酸化作用を持つビタミンEが豊富です。これは、いつまでも若々しくいたい女性にとって、見逃せない成分ですね。
<骨の健康をサポート(ビタミンD)>
ビタミンDは、骨を丈夫にするカルシウムの吸収を助けます。特に閉経後の女性は骨の健康が気になりますから、カステラで美味しく補えるのは嬉しいことです。
<元気のミネラル(亜鉛)>
卵には、免疫力や味覚を正常に保つ亜鉛などのミネラルも含まれています。
脳が喜ぶ!「幸せホルモン」と糖類の役割
カステラの優しい甘さは、私たちをホッと幸せな気分にしてくれますよね。これは、甘いものを摂取することで、脳内で「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンなどが分泌されるからです。
また、砂糖は脳の即効性のあるエネルギー源です。頭が疲れた時や、集中力が切れたと感じた時にカステラを少量食べると、脳に素早くブドウ糖が届き、集中力を回復させる助けになります。
ただし、食べ過ぎは禁物です。皆さんが日頃からカロリー気にされているように、カステラも美味しいからこそ、一日の食事全体のバランスを考えて、お茶うけに一切れなど、適量を楽しむことが大切です。
カステラは心と体に優しい贈り物
長崎で異国の風を感じながら生まれたカステラは、歴史の深さと栄養の確かさを兼ね備えた、稀有なお菓子です。
「体に負担が少なく、良質な栄養を効率よく摂れる」というカステラの特長は、現代の忙しい毎日を過ごす私たち、特に健康と美容を気遣う女性にとって、本当に心強い味方です。

カステラ一切れには、数百年にわたる人々の情熱と工夫、そして私たちを内側から元気にする力が詰まっています。次にカステラを手に取るときは、その歴史と健康効果を思い出して、心と体でじっくりと味わってみてくださいね。
健康管理士の松渓(マッケイ)と申します! 若い頃はスキー三昧の日々を送っていましたが大ケガをして引退。そこから健康のありがたみに目覚めました。皆さまの日々の暮らしに「ちょっと役立つ」情報を随時発信していきますので、参考にしていただければ幸いです。
残念ながら、25年ほど健康関連の業界に身をおく私からすると、世にあふれる健康情報の中には「?」と首をかしげたくなる内容も。そのため、つい辛辣な言葉もでてしまうことがあると思いますが、どうかご容赦くださいませ。

