「春眠暁を覚えず」
近頃、スッキリ起きれなくて、まず浮かんだのはこの言葉です。布団がいつまでも私を放してくれません。
でも、油断は禁物!体調の変化は季節だけのせいとは限りませんよ。
年齢とともに、「以前より疲れやすくなった」「しっかり寝たはずなのに体が重い」「食事の後にどうしても眠くなる」といった、ちょっとした不調が増えてきてはいませんか?
実は、こうした悩みを解決する鍵が「空腹」にあるかもしれません。
今回は、体本来の力を呼び覚ます「週に1度の16時間断食」という新しい健康習慣について、その驚くべき効果をご紹介します。
私たちは想像以上に「食べすぎ」?

「人並みの食事量だし、食べすぎているつもりはない」と思われる方もいるでしょう。しかし、現代の豊かな食環境では、普通に3食摂るだけで、実は本来必要なエネルギーの1.5倍から2倍近くを摂取してしまっている可能性があります。
例えば、手軽な外食のセットメニューやコンビニのお弁当は、カロリーが高いものが多いですし、さらには気づかないうちに摂取している「糖質」の多さも、私たちの内臓に大きな負担をかけています。
私たちが食べたものは、胃や腸、肝臓などが何時間もかけて消化・吸収してくれます。
しかし、1日3食を絶え間なく食べていると、内臓は休む暇がありません。その結果、内臓が疲弊し、栄養を十分に吸収できなくなったり、免疫力が低下したりして、だるさや疲れやすさを引き起こしてしまうのです。
さらに、糖質の摂りすぎは血糖値を急上昇させ、それを下げるために「インスリン」というホルモンが大量に分泌されます。
この血糖値の激しい変動こそが、食後の猛烈な眠気やイライラを引き起こすだけでなく、糖尿病や動脈硬化などの原因となります。
体を内側からリセットする「16時間」の魔法

そこで提案したいのが、「ものを食べない時間(空腹の時間)」を作ることで、疲れ切った体を内側から掃除するという方法です。
空腹の時間が長くなると、私たちの体の中では劇的な変化が起こります。
- 10時間経過: 肝臓に蓄えられた糖がなくなり、体内の脂肪が分解されてエネルギーとして使われ始めます。
- 16時間経過: ついに「オートファジー」という奇跡の仕組みが働き出します。
オートファジーとは…古くなった細胞内のタンパク質を集めて分解し、新しいタンパク質として作り替える「細胞のリサイクル機能」のこと。私たちの体が本来持つ若返りの機能として注目されています。

上の図は、細胞内で行われる「オートファジー」の流れを示したイメージです。細胞の中で不要になったものや傷んだミトコンドリア、異常なたんぱく質などを膜で包み込み、分解・再利用する仕組みを表しています。回収された不要物はリソソームと融合して分解され、細胞に必要な材料として再び活用されます。【AIで作成】
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「若返りの仕組みとは?」
オートファジーが活性化すると、細胞が内側から若返り、自律神経が整い、免疫力も向上します。まさに、空腹そのものが「最高のクスリ」となって、私たちの体を修復してくれるのです。
週に一度の「空腹」で胃腸を休める

近年、私たちの内臓は1年365日24時間、消化や吸収のためにフル稼働していると言っても過言ではありません。
そこで「週に1度、週末だけ」ファスティングを実践することで、内臓を十分に休ませてみましょう。
週1度、16時間の空腹であれば、栄養素が不足する心配もありません。体内を「大掃除」する日を作って、蓄積されたダメージをリセットし、病気や老化を遠ざけることができます。
誰でもできる!「無理のない」始め方

「16時間」と聞くと長く感じますが、「睡眠時間」を上手に組み合わせるのがコツです。
例えば、前日の夜20時に夕食を食べ終えたら、翌日の正午(12時)まで食事を控えるだけです。睡眠時間を8時間とすれば、起きてからの4時間と寝る前の4時間を「食べない時間」にするだけで16時間が達成できます。
また、「どうしてもお腹が空いて我慢できない」という時の心強い味方があります。
- ナッツ類なら食べてOK: 素焼きのナッツ(アーモンドやカシューナッツなど)であれば、空腹の時間中でも食べて構いません。ナッツに含まれる良質な脂質は、オートファジーの働きを妨げずに空腹感を和らげてくれます。
- 水分補給はたっぷりと: 水やカフェインの入っていないお茶(ほうじ茶、麦茶、ルイボスティー)、植物発酵エキスのドリンクといった飲み物はしっかり摂取しましょう。体内のデトックスが促されますよ。
筋肉を守るために「軽い運動」を

「16時間ファスティング」を取り入れる際に、気をつけていただきたいのが「筋肉量の維持」です。
エネルギーが入ってこなくなると、体は脂肪だけでなく筋肉も分解してエネルギーに変えようとします。筋肉が減ると代謝が落ち、かえって太りやすい体になってしまうリスクがあります。
そのため、日常生活の中でできる簡単な運動を並行して行うことが、健康的に若々しさを保つための秘訣です。ぜひ、取り入れてみてください。
- 階段の上り下りをする
- テレビを見ながらスクワットをする
- 無理のない範囲で腕立て伏せを行う
体が変われば、人生がもっと軽やかになる

「1日3食」という常識を一旦横に置いて、まずは週に1度、自分の体を労わる「16時間の空腹」を作ってみませんか?
内側から美しく、健やかに。空腹がもたらす「体の奇跡」を、ぜひあなたも体感してみてください。週に一度のリセット習慣が、あなたのこれからの10年、20年をきっと輝かせてくれるはずです。
こんにちは、健康管理士・腸内環境管理士の中谷です。三姉妹の母で、毎日にぎやかに過ごしています。楽しみは美味しいお酒と観葉植物を育てること。美酒を作る発酵の力と、植物が持つ癒しのパワーを日々実感中です。植物で大切なのは根っこですが、人間にとっての根っこは腸。腸にまつわるお話や、健やかに過ごすヒントなどをお届けします。ぜひ、ご一読いただければ幸いです。

