コラム

「見えにくい」「歪んで見える」って老化なの?その2

先月の10月10日は目の愛護デーでしたね。前号では、目の不調が「歳のせい」だけではなく、重大な病気のサインである可能性についてお伝えしました。 今回はその続編として、白内障、緑内障、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症など、見え方の変化から読み取れる目の病気について、より具体的にご紹介します。

あなたの視界は大丈夫?

「視界全体がかすむ、まぶしい」と感じたら、白内障の可能性があります。 加齢とともに誰にでも起こり得る病気で、手術で視力を回復できることがほとんどです。


ただし、手術には合併症のリスクもあるため、信頼できる医師と十分に相談することが大切です。

「視野が狭くなる」のは緑内障の特徴です。怖いのは、初期にはほとんど自覚症状がないこと。
気づかないうちに視野が失われていき、気づいたときには半分以上が見えなくなっていることも。最近では、眼圧が正常でも発症する正常眼圧緑内障」が7割以上も占めています。眼圧だけの検査では見逃されることもあります。40歳を過ぎたら、眼底と視野検査を定期的に受けましょう。


さらに、「直線が歪む」「新聞の文字が波打って見える、中央が見えなくなる」という症状は、加齢黄斑変性症の典型的なサインです。
視力に重要な「黄斑」という部分が障害される病気で、「機能的失明」に至ることもあります。


自己チェックには後ほどご紹介する「アムスラーチャート」が有効です。
メガネをかけた状態で一定の距離から中央の点を凝視し、マス目が歪んでいないか、真ん中が黒く欠けていないかを確認しましょう。
糖尿病を患っている方には、糖尿病性網膜症のリスクが高まります。
初期には自覚症状がありません。血糖値の管理はもちろん、年に1回の眼底検査は絶対に欠かせません。

目の未来を守る3つの習慣

目の病気の多くは、早期発見・早期治療で進行を遅らせたり、視力の維持が可能になります。
そのための習慣を、今から始めてみませんか?

屋外で過ごす時間を
晴れた日はもちろん、曇りの日でも日陰にいるだけで、室内の何倍もの光を浴びれます。
子どもだけでなく、大人も1日2時間程度、外の空気と光を感じる時間を持つことが、目の健康に大きな効果をもたらします。

色とりどりの食材を
赤、黄、緑、紫の野菜や果物、発酵食品を意識的に取り入れましょう。抗酸化物質の宝庫であるこれらの食品は、体内から目を守ってくれます。

定期的な眼科検診を
50歳を過ぎたら、気になる症状がなくても、年に1回は眼科を受診することをお勧めします。
40歳以上の方でも、とくに糖尿病の方、近視が強い方は、早めの検査が安心につながります。

あなたの視界は、今日より明るくなる

「見えにくい」は、決して諦めるべきことではありません。それは、体が発している「守ってほしい」という声です。
科学の進歩とともに、目の病気に対する理解も深まり、予防や治療の選択肢も広がっています。
今日、外に出て太陽の光を浴びる。毎日の食事に、一皿の野菜や果物を加える。来月、眼科の予約を入れる…。
これらの小さな一歩が、3年、5年後のあなたの視界を、どれだけ明るく保てるかを決めるのです。
目の健康は、今日の意識から始まります。
あなたの毎日が、今日より少し明るいものになりますように。

目の異常早期発見!アムスラーチャート表

次の方法で視野欠損に気がついた場合、かなり広範囲に見えない部分が発生している可能性があります。
❶左の表を壁に貼り、約20㎝離れる(メガネはかけたまま)


❷必ず片目ずつチェックします。
❸中央の黒点を見つめ、左右の目の盲点を書き込み、それ以外でシート上に見えない、ぼやけている所があれば緑 内障の可能性があります。また、歪んで見える場合は他の眼病の場合がありますので、それらの部分に印をつけて、眼科を受診する際に表を持参して相談をしましょう。

 

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