コラム

食品選び、きちんとできていますか?

止まらない物価高のあおりを受け、野菜の価格も軒並み高騰。食費が家計を圧迫しています。
スーパーで陳列されている食材と睨めっこ……というよりも、食材の下に書かれている値札と睨めっこをしていると言ったほうがしっくりとくるでしょうか。

野菜や生鮮食品が値上がりしているなかで、安い・便利・美味しいと三拍子揃ったコンビニ弁当やカップ麺、ファストフードなどに手を出すのは仕方がないことなのかもしれません。

しかし「最近は体力が落ちてきた」「免疫力が下がった」そう感じている場合、安価で手軽だからと手を出した食事に使われた「添加物」が原因かも……。

『添加物は摂らない方がいい』そう頭ではわかっていても、添加物を使用していない食品を探す方が難しい現代で生きつづける限り、ついつい摂ってしまうのが実際のところです。

 

新型栄養失調とは

そもそも、なぜ添加物を避けた方が良いのでしょうか。

添加物を摂ることの弊害としては、発がん性、アレルギー性、遺伝毒性(DNAに変化を与え、悪影響が出ること)があげられますが、新たに新型栄養失調への影響があることも最近では危惧されています。

栄養失調と聞くと『食事が摂れなくてかかる病気』だと、まずは想像するでしょう。
戦争が続いている国では、飢餓状態に陥り栄養失調を患っている人が大勢います。

しかし、食べ物が溢れている私たちの国でも、新型の栄養失調に罹る人たちがいるのです。5大栄養素のうち、ある特定の栄養素が極端に不足した状態が「新型栄養失調」になります。

よく知られているのが「高齢者のたんぱく質不足」と、カロリーはたっぷり足りているはずの「外食が多い人のミネラル不足」のふたつです。食事は摂れているのに体の不調に繋がる。そこには添加物による大きな落とし穴があるようです。

 

現代におけるミネラル不足の原因

ミネラル不足の原因は、いくつかあげられます。

①水煮食品の増加

スーパーのお惣菜には、業務用の水煮野菜を使用することが多いです。切った野菜を茹で、ミネラルを茹でこぼしたものをパック詰めしたものを使ってお惣菜を作っているところがほとんどでしょう。はたまた業務用に限らず、スーパーで陳列されている茹でブロッコリーの冷凍や、ささがきゴボウなどの野菜類は包丁を使わずにすぐ調理できるため、手軽さや時短に繋がり大助かりですが、ほとんどがミネラルを茹でこぼした抜け殻状態です。

②精製食品の増加

近年はますます精製食品が増えています。そのなかでも、なるべくミネラルが残ったものを選ぶことが重要です。ここでは水と油について少しだけご紹介します。

夏のミネラル補給の飲み物として、麦茶を冷蔵庫に常備しているご家庭も多いかと思います。
驚くべきことに、某大手飲料メーカーがペットボトルで出している麦茶、商品ラベルには『ミネラル麦茶』と記載があるのに、同メーカーで出されている『天然水』のほうがミネラルが含まれているのです。

原因は、ミネラルを抜いた純水の使用にあります。
天然水はカルシウムやマグネシウムなど、他にもいろいろなミネラルが微量に溶け込んでいるのに対して、麦茶をペットボトルで販売するにはその成分が邪魔でしかないのです。なぜなら、麦茶を濁らせたり、沈殿物を生じさせる可能性があるからです。
残念ですが、天然水と表示のない飲料はすべて純水で製造、ミネラルが少ない飲料だと思いましょう。

家庭で常備している半透明のペットボトルに入った食用油、これらはすべてミネラルゼロです。ヘキサン、リン酸、シュウ酸などの科学的に合成された添加物で油を抽出しています。
こちらもミネラルが含まれると濁りやニオイ、変色や泡立ちなどが現れてしまうからです。
さらに、ファストフード店などで使用されている業務用サラダ油にはシリコーンも入っているため、胃もたれや胸やけを起こしやすいかもしれません。

③リン酸塩の使用増加

リン酸塩はミネラルの吸収を阻害する添加物です。発がん性はありませんが、ミネラルと固く結合し、腸内細菌が利用できない状態、もしくは腸から体内に吸収しにくい状態にしてしまうのです。
ではなぜ食品に使用されるのでしょうか。それは安価に食感と色の見た目に良い効果をもたらすから。

いつもの買い物で心がけたいこと

おすすめは圧搾製法で製造されたものを選ぶこと。
ミネラルが残っていれば体内で油を分解するので、翌日の胃もたれの心配はありませんよ。
また、リン酸塩は冷凍食品からデザートのプリンやゼリーに至るまで、さまざまな加工食品に使われているので、買い物の際は注意が必要です。

なぜか体の不調を感じるときこそ、身近な添加物についてあらためて見なおし、快適な生活を取り戻してみましょう。

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