「起きるのがつらい」「立ち上がると頭が痛い」「検査は異常なしと言われる」。その不調、脳脊髄液減少症かもしれません。
まだ十分に知られず診断が難しいため見逃されやすい病気ですが、体位によって変化する頭痛は重要な手がかりです。適切な検査と治療で症状は改善し、日常生活を取り戻せる可能性があります。今回は2回に渡りこの症状のお話しをさせていただきます。
なお、前回特集した「ちょっとした転倒」が命とりに」もご参考になさってくださいませ。
自己チェックリスト
次の項目に複数当てはまる場合は、今回お話する脳脊髄液減少症の可能性があります。気になる方は一度、専門医に相談してみてください。

脳脊髄液とは何か?
「脳脊髄液(のうせきずいえき)」をご存じでしょうか。これは脳と脊髄を包み込む透明な液体で、体内で非常に重要な役割を担っています。
脳内の「脈絡叢(みゃくらくそう)」で作られ、脳と脊髄の周りを循環しながら、外部の衝撃から守るクッションの役割を果たし、老廃物の排出にも関わっています。
健康な状態では一定の量と圧力を保って循環していますが、何らかの原因で漏れると脳内の圧力が下がってしまい、頭痛など、さまざまな不調が現れます。
事故やスポーツ外傷、育児中に発症も
脳脊髄液減少症は、その名の通り脳脊髄液が減少することで起こる病気です。原因には交通事故や転倒、尻もち、スポーツによる外傷、さらには抱っこ紐からの落下などが挙げられますが、はっきりとしたきっかけがない場合もあります。

液が漏れると脳が本来の位置より下がり、頭痛やめまい、耳鳴りなどが出現します。
とくに特徴的な症状が「起立性頭痛」で、立ち上がると痛みが強まり、横になると楽になる点です。年齢や性別を問わず発症し、小学生から高齢者まで幅広く見られます。
とりわけ事故や転倒の後に症状が出る例が多く報告されています。
症状の具体例
脳脊髄液減少症の症状は人により異なりますが、代表的なものを挙げます。

右のように症状は多岐にわたりますが、最も多いのは前述した起立性頭痛です。

厚生労働省の研究班の報告では、患者の約80%がこの頭痛を訴えており、診断の重要な手がかりになります。次いで、めまい・耳鳴り・倦怠感などの自律神経系の症状が多く見られます。
これは脳の位置が下がることで神経が刺激され、バランスが崩れるためと考えられています。
次回は日常生活への影響や治療法などについてお話しいたします。
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日本抗加齢医学会会員 / 健康管理士 / 国際薬膳食育師 / 有機美容発酵食品マイスター
健康管理士の松渓と申します。34年にわたり健康関連の業界に身を置き、最新の医学的知見や伝統的な食養生をベースにした情報発信を行っています。
若い頃はスキー三昧の日々で大ケガを経験し、そこから健康の大切さに目覚めました。世にあふれる健康情報の中から、プロの目線で精査した「本当に役立つ知識」を分かりやすくお届けしていきます。

