
近年、日本国内でも吸血害虫の被害が急増しています。
「もしかしてナンキンムシのこと?」と思った方、正解です。
一度は姿を消したはずのあの害虫が、今なぜ再び私たちの生活に影を落としているのでしょう?
今回は、その正体と私たちが今できる予防・対処法をご紹介します。
ナンキンムシとは?
ナンキンムシの正式名はトコジラミ。この虫はカメムシの仲間です。体長は5〜8mmの夜行性で、人が眠っている間に吸血します。昼間はベッドや家具の隙間、壁のひび割れなどに潜んでいます。
わずか1mmほどの卵は粘着性があり、簡単には取れません。メスは一生に200〜500個も産卵し、数カ月間は血を吸わなくても生き延びられるため、一度発生すると根絶が非常に困難です。数十〜数百匹が集まって生活することも珍しくなく、被害が拡大しやすいのが特徴です。
なぜ増加?トコジラミ被害
1990年代にはほぼ根絶されたトコジラミですが、2000年代以降、再び世界的に被害が拡大しています。主な原因は、人や物の国際的な移動です。
とくにスーツケースやリュックサックに紛れ込み、旅先の宿泊施設から自宅へ持ち込まれるケースが多発しているのです。海外からの観光客増加に伴い、ホテルや民泊など人の出入りが多い場所が温床となり、被害が連鎖しています。さらに、中古家具や古着、国際貨物なども侵入経路となり、都市部では隣接する住宅や公共施設への拡散も懸念されています。
(旅館・ホテルのための害虫対策の手引書)
有名人もトコジラミの被害に
トコジラミの被害は一般人だけではありません。女優のいとうまい子さんやフリーアナウンサーの古舘伊知郎さんも、海外での滞在中に刺された経験を公表しています。
欧米では高級ホテルでも被害が出ており、「高級=安全」とは限らないことが明らかになっています。
早期発見と対策がカギ!
トコジラミは気温20℃以上で活発になり、特に梅雨から秋にかけては繁殖・成長スピードが上がります。薄着になる季節は刺されやすく、旅行や帰省で持ち帰るリスクも高まります。
刺されると強いかゆみや赤み、発疹が現れます。時間差で腫れることもあるため、不定期な複数箇所のかゆみがある場合は注意が必要です。
持ち込まない!増やさない!!
トコジラミは非常にしぶとく、一度侵入されると自力での完全駆除はほとんど不可能です。
しかし、被害を最小限に抑え、拡散を防ぐためにできることはたくさんあります。
最終手段は「プロの力」!
市販の殺虫剤が効きにくい「スーパートコジラミ」も出現しているため、自力での駆除が難しい場合は、迷わず専門業者を頼りましょう。
トコジラミの生態や駆除方法に精通した業者であれば、適切な薬剤や加熱処理などで徹底的な駆除を行ってくれます。
業者を選ぶ際は、複数の見積もりを比較し、駆除実績や資格、再発時のアフターケアなどを確認することが大切です。
知って行動して、プロを頼る!
トコジラミの被害を防ぐには、「増やさない」「持ち込まない」ことが最も重要です。今回の内容を参考に、トコジラミのリスクを軽減しましょう。
もし被害に遭ってしまったら、早期の発見・対応が被害の拡大を防ぐ鍵となります。正しい知識を身につけて、私たちの健康と快適な暮らしを守りましょう。
健康管理士の松渓(マッケイ)と申します! 若い頃はスキー三昧の日々を送っていましたが大ケガをして引退。そこから健康のありがたみに目覚めました。皆さまの日々の暮らしに「ちょっと役立つ」情報を随時発信していきますので、参考にしていただければ幸いです。
残念ながら、25年ほど健康関連の業界に身をおく私からすると、世にあふれる健康情報の中には「?」と首をかしげたくなる内容も。そのため、つい辛辣な言葉もでてしまうことがあると思いますが、どうかご容赦くださいませ。