コラム

オシッコしたのにまた行きたい。それ、過活動膀胱かも?

突然、強い尿意に襲われてトイレに駆け込んだものの、またすぐに行きたくなる──。そんな経験が続いている方は、もしかすると「過活動膀胱」かもしれません。
「まさか自分が…」
と思われるかもしれませんが、過活動膀胱は加齢とともに誰にでも起こりうる、とても身近な症状です。実際、日本では20代以上の患者数が約1300万人にものぼると推計されており、その数は年々増加しています。
とくに40代以上の約12%、80代以上では約30%が発症しているとされ、高齢になるほどリスクが高まる傾向があります。
※合わせて読みたい「オシッコの色」についてはココをクリック!

過活動膀胱の症状

次の4つの症状がある場合、過活動膀胱の疑いがあります。

オシッコと膀胱の関係

膀胱は150ml程度の尿が溜まると、脳に刺激が伝えられ、尿意を感じます(初発尿意)。
脳が我慢するように命令すると、300~500mlまで溜め、限界になります(最大尿意)。
尿を溜めることを蓄尿といい、脳を通じて膀胱を緩ませ、尿道の括約筋には縮むように命令するため、通常は漏れません。排尿時は逆に膀胱がぎゅっと縮み、尿道括約筋が緩みます。
しかし過活動膀胱の場合は、初発尿意やそれ以前に急激な尿意で膀胱が縮み、漏れてしまうことがあります。
この状態を切迫性尿失禁といい、過活動膀胱で悩む患者さんの92%が経験しています。

あなたの症状をチェック!

1週間または3日間でもっとも近いものを、1つ選んでチェックしてください。

オシッコの悩みなので病院には行きづらい・・・。
そう考える人が多いようで、1千万人以上の患者数が推定されているものの、医療機関を受診・治療を受けている人は2割にすぎないと考えられています。
では、どのような診察・検査が行われるのでしょう?

病院で行われる診察・検査

診察は現在の症状、病歴ついての問診と、次のような検査を行います。
①尿検査
血尿や細菌、腫瘍細胞の有無を確認します。
②残尿測定
排尿直後の膀胱内にどれくらい尿が残っているか、お腹に専用の機械を当て調べます。
③超音波エコー検査
健康診断や人間ドックでもおなじみの検査で、膀胱や腎臓に結石や腫瘍がないかチェックします。

自分の排尿回数を把握しよう

1日に何回、オシッコに行きますか。日中は5~7回、就寝後は0〜1回程度が正常とされています。回数が多いと感じる人は排尿日誌を付けてみましょう。

膀胱機能訓練療法

尿意を気にしすぎると、少ししかオシッコが溜まっていないのにトイレに行く癖がついてしまいます。これが続くと、溜められる尿量が少なくなり、さらに悪化します。
頻尿に悩んでいる方はぜひ、膀胱を訓練して能力を復活させましょう。

ふくらはぎマッサージ法

私たちの体は体内の水分を一定に保つため、摂った水分を尿で排出します。しかし、血液の循環機能が衰えると、足の血管から水分が漏れ、ふくらはぎに溜まります。
就寝時に横になると、ふくらはぎの水分が血管内に戻り、尿の元になってトイレに起きるようになるのです。
そこでお勧めなのが、ふくらはぎマッサージ。この水分を就寝前に尿として出してしまいましょう。

骨盤底筋訓練療法

肛門や尿道、膣を締める訓練をすることで、尿道を引き締める力がつき、尿漏れや、腹圧性尿失禁、過活動膀胱を改善します。また、弱った骨盤底筋を鍛えて筋力をつけることで、内臓が下がることも予防できます。

 

過活動膀胱は命にかかわる病気ではありません。ですが、放置すれば著しく生活の質を下げ、健康寿命にも影響します。
排尿に関する悩みがある人は、できるだけ早く医療機関に相談しましょう。

評価をお願いします

最近の記事