コラム

五月の味ごよみ

毎年、春になると浜松在住の友人から夏みかんが届きます。

「今年も我が家の山の野生児を送ります。薬はもちろん、よけいな手入れは一切なしの自然育ちです。多少無骨さはありますが、味は負けません」

と添え書きがついていました。

なるほど。

ほどよい酸味に甘味が濃くて、ほんとに夏みかん? と思うほどの味わいです。
酸味は肝臓を養う。疲れ気味の肝臓さんが喜んでいるようです。

 

 

夏みかん

肝・腎の働きを高め、むくみを解消する。
喉の渇きを癒し、気力を補い、血行をよくし、尿の出をよくする。

抗酸化作用のほか免疫機能を高め、風邪やインフルエンザを予防。

袋ごと食べれば便秘解消、生活習慣病予防に役立つ。

 

サヤエンドウ

若いサヤエンドウのことを、絹サヤと呼んだりします。
噛むとシャキシャキと小気味よい音がして、愛らしい野菜です。

エンドウ豆の若いサヤには、大型種のやわらかいオランダサヤ、小型種の絹サヤ、中間種のスナップエンドウなどの品種があります。
サヤエンドウはビタミンCが多いのが特徴。
そのビタミンCはコラーゲンを生成する働きをし、メラニン色素の生成を抑えるので、シミ、ソバカスを防ぐ嬉しい働きも。

発がん物質を抑制する働きもあり、ガン予防、カゼ予防にも効果アリです。
カロテンも豊富で細胞の老化を抑え、肌を美しく保ってくれるのも嬉しいところ。

 

新じゃが

皮が薄いので包丁を使わずに、たわしでこすってむきます。

肉質は水っぽく、芋特有のでんぷん質は少ないのが特徴です。
細く切って水にさらせば生サラダで食べられます。

昔は救荒食物の一種で、お助け芋などと呼んでいた地方もありました。

気力を補い、脾を健やかにし、消炎作用の働きで耳下腺炎、火傷を治し、豊富なカリウムが血圧を安定させます。

 

新茶(日本茶)

お茶を飲む習慣は四千~五千年前に中国で始まったとされ、日本には聖徳太子の時代、仏教とともに伝承したと伝えられています。
当初、もっぱら薬として利用されていたお茶が一般に広まるのは、鎌倉時代に栄西禅師が抹茶を日本に伝えてから。
その後、千利休によって茶道の体系が完成し、江戸時代に入ると、煎茶として飲む習慣が一般的となります。

日本茶が中国茶と大きく異なるのが、茶葉の発酵法です。
お茶の葉は摘み取った直後から、自身の持つ酸化酵素の働きで発酵を始めます。
この発酵のさせ方に多彩な種類のある中国茶や紅茶に対し、日本茶は発酵させない緑茶のみ。
また、発酵を止める加熱法も、中国の緑茶が釜煎りでの加熱なのに対し、日本のお茶は大半が蒸気で蒸しています。
そのため、日本茶はお茶独特のうまみや渋み、青っぽい香りが、より鮮明に味わえるのが持ち味です。

ビタミン、ミネラルに加え、健康成分のカテキンを含有。

日本茶に含まれる栄養素は、基本的に中国茶や紅茶と共通しており、カルシウム、カリウム、鉄、カロテンなども豊富に含まれています。
発酵を行っていないため、生の葉の成分がそのまま残っているところが大きな違いで、ウーロン茶や紅茶には、ほとんど含まれないビタミンCを含んでいるほか、抹茶にはビタミンEもかなり含まれています。

さらに、抗酸化力の強いエピガロカテキンというカテキンが非常に豊富なところも、日本茶の大きな特徴です。
このカテキンにはコレステロール値、血糖値の上昇を抑制する作用のほか、血栓の生成防止や、活性酸素の中和の働きがあります。
病原性大腸菌O-157に対する抗菌作用が話題となったことで知られる通り、強い抗菌力があり、細菌が出す毒素の活性を抑える力ももっています。

また、日本茶は眠気をさまし、疲労、二日酔い、かぜ、高血圧、高脂血症、動脈硬化、血栓症、脳梗塞、糖尿病、老化、食中毒、口臭、口内炎、虫歯の予防にも有効です。
うがいに使えば、喉の痛みをやわらげる効果もあります。

新茶は野菜として茶殻も食べましょう。
茶葉に含まれている成分は、煎茶のようにお湯に抽出した場合、含有量全体の三分の一程度しか溶け出さず、とくに脂溶性ビタミンのカロテン、ビタミンB群、ビタミンEなどは大半が茶葉の方に残ってしまいます。
煎茶をいただいたら、急須に残っている茶葉は皿に移して醤油を少しかけて食べましょう。
とくに新茶は柔らかいので美味しく食べることができます。

抹茶は茶葉そのものを粉にして飲むので、すべての成分を摂取することができるのでこちらもオススメです。

茶葉とワカメのふりかけ

①出がらしを乾燥させた茶葉大さじ1と乾燥ワカメ20gをすり鉢に入れてよく砕く。
②ボウルに茶葉とワカメ、梅昆布茶小さじ1と白ごま大さじ1を加えてよく混ぜ、塩で味を整えれば完成。

 

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