コラム

腸の中にもカビがいる!腸カビの怖い影響とカビの増殖を抑える食材とは

「うわ、このパン、カビ生えてるじゃん!お腹こわすよ!」
カビが健康に悪いことは、ご存じの通りです。
実は、私たちの腸の中にもカビが棲み付いていることを知っていますか?
今回は、私たち自身に棲み付いている腸のカビについて、深掘りしていきましょう!

 

腸にはカビも棲み付いている

腸にいるカンジタ菌や酵母など、私たちの身近にいるカビの仲間が数多くの病気を引き起こしています。これは「イーストコネクション(yeast connection)」と呼ばれ、アメリカなどの海外では認知されている症状です。

日本ではまだ広く知られていませんが、酵母などを使った発酵食品を食べる習慣や湿度の高い気候など、日本はカラダの中のカビが増えやすい条件がそろっています。

健康な人の場合、腸に棲む微生物のうちカビは1%程度です。このぐらいなら私たちの体に悪影響を及ぼすことはありません。しかし、腸内環境が乱れて腸のカビが増えすぎると、「腸管カンジタ症」となり、さまざまな病気を招く原因となるのです。

腸カビを増やす要因

①抗生物質や制酸剤などの使い過ぎ

抗生物質などの抗菌薬は、感染源の細菌だけでなく腸内細菌まで殺菌してしまうため、腸内環境を悪化させます。除菌スプレーや抗菌グッズなどの使い過ぎも同様です。

胃酸を抑えることを目的としたH2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬などの胃薬も、カビを増やす原因となるので要注意。通常、外部から侵入してきた微生物を胃酸の強い酸で防いでいます。しかし、胃酸過多や逆流性食道炎の治療を目的とした胃酸を抑える胃薬を服用すると胃の中の酸が弱まり、カビなどの微生物が腸まで入り込んでしまいます。

胃酸が抑えられることで消化も悪くなり、未消化のまま腸へ送られる食べ物が増えることでカビが助長されたり、おなかの張りや便通の悪化、体中に悪影響を及ぼすリーキーガット(腸漏れ)症候群などのリスクが増加します。

②甘いものや糖質の食べ過ぎ

カンジタ菌などの腸カビは糖質や甘いものが大好物で、お腹の中に糖質が多いほど増殖します。増えすぎるとヒトが必要とする糖分までカビに横取りされてしまうため、低血糖を起こしたり、甘いものがやめられなくなってしまいます。「甘いものが好きで、どうしてもやめられない」という人は、お腹のカビに操られているのかもしれません。

アレルギー疾患を引き起こす腸カビ

カビは腸壁に食い込んで増殖するため、腸のバリア機能を低下させます。すると、本来体内に吸収されない未消化の栄養素や細菌・ウイルスなどの異物が腸の血管から吸収されることとなります。これがリーキーガット(腸漏れ)症候群です。

腸から吸収された異物は体のあちこちで炎症を起こし、免疫システムが暴走をはじめます。

こうした免疫システムの暴走により、本来反応する必要のない物質にも免疫が働いている状態がアレルギー性疾患です。

腸カビは精神疾患にも影響している

自閉症の患者さんに腸カビが多いことは以前から指摘されています。

実際に自閉症の患者さんに尿検査を行なった際に高い確率で検出される物質が、カビが作る「アラビノース」という有機酸です。このことから、お腹の中でカビが異常繁殖していることが分かります。

自閉症の治療において、食事療法にカンジタを除去するハーブを試したところ、自傷行為やかんしゃくなどが8割程度治まり、4日に1度程度しか便通がなかったひどい便秘が解消したという例もあります。

腸カビに対抗できる食品3選

ニンニク

防カビ作用のある「アリシン」という成分を含んでいます。抗菌作用もあり食中毒を防ぐ働きや体温を上げる作用もあり、腸カビ対策にぴったりの食材です。

梅肉エキス

すりおろした梅の実を煮詰めたものです。カビ毒を抑制するほか、強力な殺菌作用を持ち、食中毒菌やピロリ菌などを殺菌します。

グレープシードオイル

抗カビ作用により、カンジタ、いんきんたむし、水虫などにも効果を発揮します。ドレッシングなどに使用できるうえ、抗酸化作用も強いため加熱料理にもおすすめです。

体温を上げる習慣で腸カビの増殖を抑えよう

サウナやお風呂で体温を38℃以上にする習慣を取り入れてみましょう。血行や代謝を促し、腸内環境を整え免疫力が高まります。

日光浴もおすすめの習慣です。シミが増えるのが心配な方は帽子やサングラスで紫外線対策をしながら、背中で日向ぼっこをしたり、手足に日光を浴びるという方法もあります。体がほんのりあたたまり、気持ちよくなれば十分です。

ほかにも、適度な運動や人生を楽しみながら前向きに過ごすことも免疫力アップやカビ対策に役立ちます。

 

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